針折れ防止のために・・・
組織を鑷子(せっし=ピンセット)でつまむ際は、可能な限り最小限の範囲をつかみ、必要以上に強くはさまない。
組織にはいくつかの層があるが、筋層=筋層、粘膜層=粘膜層といったように、同じ層同士を合わせることを心掛ける。
例えば正中切開創は、深い層から腹膜・筋膜(筋肉)・皮下組織・真皮・表皮という層の構造となっているが、それぞれの層同士が合わさるよう一括又は数層に分けての層々縫合を行う。
本来の生体構造にはない空間である死腔が形成されると、感染源となる浸出液、壊死組織がたまり、創傷治癒を妨げることになる。
死腔発生例
周囲組織の過度の緊張のない縫合などを工夫する事が必要。死腔形成が予測される場合には、ドレーンによる排液、圧迫によって外圧を加えるなどで予防を試みることがある。
血腫は重大な感染源となるため、丁寧に止血を行い血腫ができないよう充分注意する。
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