縫合：皮膚

結節縫合(Interrupting Suture)

1針ずつ縫合結紮する方法。1本ずつ結び具合を調整でき、部分的な抜糸が可能。

縫合の実際

監修：杏林大学 医学部外科
　　　教授 森 俊幸 先生

垂直マットレス縫合

監修：杏林大学 医学部外科教授 森 俊幸 先生

テンションのかかる皮膚や、深い創に適している。創面の密着性が高いため、平面でない創や厚さが異なる組織同士の縫合にも有効。浅い層の縫合は可能な限り創縁に近いところで行うと創がきれいになる。

水平マットレス縫合

監修：杏林大学 医学部外科教授 森 俊幸 先生

テンションのかかる部位で、層があまり深くない場合に適している。創面を強く結ぶことができるが、創の表面の密着性は弱いため、追加の結節縫合が必要になることもある。

連続縫合(Running Suture)

1本の糸を創の終わりまで連続して縫合する。結節縫合と比較して早く、使用する糸の量も少ない（＝異物量の減少）。締め具合の調節を誤ると、創縁がずれてしまい密着しにくいという欠点がある。部分的な抜糸ができないため感染がある場合には適さない。1カ所が切れると創全体が開いてしまうという危険性もある。

単純連続縫合

監修：杏林大学 医学部外科
　　　教授 森 俊幸 先生

操作が簡単だが創面密着性は劣る。

皮下埋没縫合・真皮縫合

皮下組織から真皮方向に糸をかける。糸が体表に出ないため皮下埋没縫合と呼ばれる。抜糸不要。整容製が高い。ただし、正確な運針までは慣れが必要であり、縫合時間も比較して長い。 通常の結節縫合の場合は、創と直角方向に結紮するが、真皮縫合の場合は創に沿った方向にテンションが緩まないように締める。
組織の層のずれを修正するために、予め皮下組織を縫合するケースもある（下図）。