腰下肢痛
治療機器
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治療機器
脊髄刺激療法は、薬物療法や神経ブロックでも日常に支障がある患者さんに適応される治療です。体内に植込まれた装置から脊髄に微弱な電気刺激を送ることで、脳への痛みの信号が伝わりにくくなると言われています。体内に完全に機器を植込むことにより、患者さんの活動レベルや日常生活の向上が期待されます。
痛みは、末梢から脊髄を通って脳に伝わってはじめて、「痛い」ということを認識します。痛みのある部分を支配する神経に繋がる脊髄に微弱な電気を流すと、痛みの信号が伝わりにくくなると言われています。脊髄刺激療法は、この理論を応用して開発された治療です。
脊髄刺激療法では、痛みの信号が脳に伝わる前に微弱な電気刺激を調節することによって痛みをやわらげます。ひじをぶつけたときに、ひじをさするようなことだと考えていただいてもよいでしょう。ひじを さすることによって痛みがやわらぎます。脊髄刺激療法も同様に、微弱な電気刺激によって発生する刺激感が痛みの部分を覆います。
また、痛みの症状は個人によって大きく異なり、さらに一日においても変化することがあります。そこで、脊髄刺激療法では痛みの強度に合わせて、患者さんが刺激感の入切や強弱などを調節できるようになっています。患者用プログラマという調節機器を使い、その日の姿勢や動きによる痛みの変化に合わせて、刺激感を調節します。
脊髄に刺激を与えるために、脊髄と脊椎の間にあるスペース(硬膜外腔(こうまくがいくう))にリードと呼ばれる導線、腹部などにペースメーカと構造が似た神経刺激装置が植込まれます。脊髄に微弱な電気を流すと心地よい刺激感で痛みの部分が覆われ、痛みがやわらぎます。
手術は通常2回に分けて行われ、リードのみを挿入する試験刺激(トライアル)で効果を確かめてから神経刺激装置を植込みます(本植込み)。本植込み後は、患者用プログラマを使い、患者さんが自分の痛みに応じて刺激を調節し、痛みをコントロールします。
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小型化
充電式電池を採用することで、従来の非充電式神経刺激装置と比べて小型・軽量化されています(神経刺激装置の重量45g、容積22cc)。そのため、植込み位置の選択性が広がり、患者さんの身体的負担の減少に繋がると期待されています。
アダプティブスティム(AdaptiveStim)
スマートフォンなどに搭載されているセンサーと類似するモーションセンサーを神経刺激装置に内蔵しています。当該センサーは世界で初めて臨床治療に応用され、装置本体に内蔵されたセンサーが立位(立っている姿勢)、仰臥位(仰向けの姿勢)、腹臥位(うつ伏せの姿勢)、左右側臥位(左向き、右向きの姿勢)および歩行状態の6つの姿勢変化を感知し、電気刺激の強さを自動的に切り替えます。これをアダプティブスティム機能と呼びます。
これにより、従来の神経刺激装置では限界とされていた「姿勢変化に伴う刺激の過不足*」という課題を解消し、より効果的な疼痛管理を実現することで、患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上への貢献が期待できます。
*日本メドトロニックが脊髄刺激療法を受けている国内の患者さん(104名)を対象に行った調査では、多くの患者さんが日常生活の中で姿勢変化に伴う刺激の過不足を経験しています。また、多くの患者さんが1日に1回以上、自分で刺激調整を行っていることも判明しました(米国の調査でも、同様の結果が示されています)。既存の神経刺激装置では、姿勢変化に伴う刺激の過不足を調整するため、患者さんはその都度患者用プログラマを操作したり、あるいは特定の姿勢を避けたりする必要があり、このことが患者さんのQOL向上の妨げとなっていました。メドトロニックは患者さんの更なるQOL向上を目指し、アダプティブスティム機能を開発しました。
脊髄刺激療法で耐えがたい痛みがやわらぎ、患者さんの活動レベルや日常生活の向上が期待されます。この治療を受けるにあたり、期待される治療効果だけでなく、考えうる手術による合併症についても医師と十分話し合う必要があります。
脊髄刺激療法により、次のような効果が期待できます。
脊髄刺激療法の特長は次のとおりです。
脊髄刺激療法は、機器を植込むための外科手術が必要であるため、他の外科手術と同様に合併症のリスクについて理解しておく必要があります。
生死に関わるような重篤なリスクは非常に稀ですが、考えうるリスクは次のとおりです。
脊髄刺激療法についてよく聞かれる質問とその回答です。
脊髄には痛みをコントロールする関門があるという説に基づいて、脊髄に電気刺激を行います。そうすることで痛みが脳に伝わりにくくなり、痛みがやわらぎます。脊髄に電気刺激を行うために、ペースメーカの応用技術で開発された機器を体内に植込みます。
脊髄刺激療法が、ご自身の痛みに合っているかどうかは、医師と相談してみてください。脊髄刺激療法は、ご自分の症状や痛みの種類などにより、効果が大きく異なります。脊髄刺激療法に適応していると医師が診断した場合、背中にリードと呼ばれる導線だけを挿入して、効果を体験してから、機器を植込むかどうかを検討することが可能です。
脊髄刺激療法が開発されてから30年以上経過しており、世界中で多くの痛みの患者さんに実施されてきました。日本では、1992年から保険適応になっています。
脊髄に電気を流すと、痛みのある部分に重なるようにして、トントンとした心地よい刺激感が起こります。この刺激感は「マッサージのような感じ」などと表現されることがあり、この刺激感により痛みがやわらぎます。
通常、脊髄刺激療法は、心地よい刺激感が重なることで痛みがやわらぐので、痛みがまったく消えてなくなるわけではありません。
脊髄刺激療法では、頭痛、胃痛、骨折などの痛みの元は取り除くことはありません。
脊髄刺激療法では、心臓ペースメーカに似た機器が植込まれます。重さは、機器によって多少異なりますが、Lサイズの卵くらいです。
通常、手術は2回行われます。1回目は、トライアルといって局所麻酔で背中に針を刺し、そこからリードと呼ばれる導線を入れていきます。このとき、そして試験的に微弱な電気を流し、1週間ほど効果を患者さまに体験します。トライアルで効果が確認され、患者さんの満足が得られたら、2回目の本植込み手術を行います。全身麻酔でペースメーカのような機器を体内に完全に植込みます。
本サイトの内容は、医師の診察に代わるものではありません。病状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。