医療の現場に行ってみると、患者さんのバイタルサインを測定するテレメトリー装置は、ほとんどの病院で数台しか設置されていないことが分かりました。そして装置を運び入れ、使用し、次の部屋まで運ぶのにかかる時間が、チームの仕事の効率性も妨げていました。このことから、私たちは機器を「見直す」のではなく、完全に取り除くことにしました。新しいソフトウェアを使えば、遠隔測定技術をタブレットに数分でダウンロードし、安価なリーダーで使用することができます。この医療イノベーションは、医師と患者さんの間にある物理的な障壁を取り払い、効率性と医療の質を向上させました。
イギリスでも、小さいながらも高性能なカメラで同様の事例があります。大腸がんは、世界で3番目に多いがんです。1 検診を受ければ、最も予防しやすいがんのひとつですが、検診を受けるということは、病院へ行き、侵襲的な内視鏡検査を受けることを意味します。COVID-19によって内視鏡検査のスケジュールが立てにくくなり、多くの患者さんはすでに内視鏡検査を避けていました。私たちは、患者さんの自宅に直接配達され、飲み込むことができるカメラを設計し、これによって、イギリスの患者さんは革新的でよりプライバシーに配慮した医療を受けることができるようになりました。また同時に、医療にかける時間と資源、そして命も救うことができるようになったのです。