副鼻腔炎
手術
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手術
薬物治療が効果を示さない場合、手術によって鼻と副鼻腔の正常な機能を回復させることが可能です。近年の手術機器や手技の発達により、多くの慢性副鼻腔炎の患者さんたちが、低侵襲の処置で症状が緩和されています。
通常、慢性副鼻腔炎に対する内科的治療が効果がなかった際に、副鼻腔手術が行なわれます。副鼻腔手術の目的は、炎症で障害された鼻と副鼻腔の機能を回復させることです。具体的には、正常組織をできるだけ温存しながら、病変部分を取り除き、ふさがれた副鼻腔の排泄路を開放します。
今日では、機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)が、慢性副鼻腔炎を治療するための最も一般的な手術法です。この手術は鼻の穴から内視鏡と手術器具を挿入して、テレビモニターを見ながら行ないます。FESSは、顔や口の中を切開する従来の手術方法に比べ、体への負担や合併症が少なく、回復も早くなります。
通常、慢性副鼻腔炎の外科的治療では、次に挙げる3つの一般的なFESSのうちの1つが行なわれます:篩骨洞開放術、上顎洞開放術、鼻甲介形成術あるいは鼻中隔矯正術です。その他にも多くの種類の副鼻腔手術が行なわれています。耳鼻咽喉科の医師は、患者さんに最も適した副鼻腔手術を勧めてくれます。
一般に、FESSは慢性副鼻腔炎を緩和することができる比較的安全な処置ですが、あらゆる手術と同じようにある程度のリスクが伴います。
4種の副鼻腔のうち篩骨洞は、目と鼻筋の間に位置しています。その他の副鼻腔はどれも篩骨洞を通じて排液を行なうか、篩骨洞と隣接しているため、ほとんどの副鼻腔炎治療において篩骨洞が鍵となります。そのため、篩骨洞がふさがっていると、感染がその他の副鼻腔に広がってしまう可能性があります。
篩骨洞開放術では、自然な排液を妨げる、篩骨洞内の感染した組織や骨を除去します。
病変部の切除にはマイクロデブリッダーという特別な機器を使用します。マイクロデブリッダーとは鼻内組織の切除と吸引を同時に行う手術機器です。
マイクロデブリッダーと内視鏡を使用することにより、正常な組織を傷つけることなく病変部のみを高精度に除去することができます。
この手術の効果とリスクについて、必ず主治医に詳細な説明を求めるようにしてください。
篩骨洞開放術を受けた後は、副鼻腔炎とその症状である頭痛、顔面の圧迫感と痛み、鼻づまり、鼻汁などの改善が期待できます。
篩骨洞開放術はその他のFESSと同じように侵襲の少ない手術です。一般的に、従来の副鼻腔手術に比べFESSに関連する感染リスクは低く、回復も早くなります。
あらゆる手術には、麻酔と感染症によるリスクが伴ないます。篩骨洞開放術の場合、術後に出血が起こることがあります。また、脳脊髄液の漏出や頭蓋内損傷等の合併症リスクがあります。
篩骨洞は目にとても近いため、眼球の動きを制御する筋肉や視神経自体が傷つくリスクもあり、視力に影響が出る可能性があります。
非常にまれなケースですが、患者さんの嗅覚に影響をおよぼす場合があります。病気の重さによってリスクは変わってきます。また、副鼻腔炎以外にも健康に問題がある場合は、その他にもリスクを伴うことがあります。手術によって生じる可能性がある合併症について、必ず主治医に尋ねるようにしてください。
上顎洞は、頬骨のすぐ奥に位置しています。通常、成人の副鼻腔炎は、上顎洞から生じます。上顎洞から排出される液は、目の高さから約1.5 cm下のところで鼻に流れ出てきます。
鼻のこの部分がふさがれると、上顎洞内の液が適切に排出されなくなり、感染症が発症する可能性が生じます。上顎洞の排出口自体がふさがれることもよくあります。上顎洞の排出口を開放する手術を上顎洞開放術と呼びます。
まれなケースですが、上顎洞開放術を行なっても上顎洞からの完全な排液が得られないことがあります。また、この方法では除去することができない病変組織がみられることもあります。その場合、執刀医は上顎洞と鼻の間に新たな排液経路を作る場合があります(Caldwell-Luc法)。
この手術の効果とリスクについて、必ず主治医に尋ねてください。
上顎洞開放術の最大の利点は、副鼻腔炎が緩和し、副鼻腔炎にかかる回数が少なくなることです。他のFESSと同じように、この手術も侵襲が少ないです。一般的に、FESSに伴う感染症リスクは従来の副鼻腔手術に比べて低く、回復も早くなります。
麻酔と感染症のリスクが常に伴うため、100%安全な手術はありません。まれではありますが、この手術に伴うその他のリスクがあります。目の損傷、涙管の損傷、過剰な涙の産生、鼻血などです。
複数の健康問題がある患者さんでは、リスクがさらに増えるかもしれません。手術によって生じる可能性のある合併症について、必ず主治医に尋ねるようにしてください。
鼻甲介形成術および鼻中隔矯正術は、主に鼻づまりと副鼻腔の排液を改善するために行なわれます。
鼻中隔とは、鼻孔を右と左にわける骨性軟骨の壁のことです。鼻の高さをささえ、空気の流れを整えます。正常な鼻中隔でも少しだけ曲がっていますが、外傷などの要因のために強く曲がってしまうこともあります。鼻中隔が強く曲がると、鼻呼吸が難しくなり、適切な排液が妨げられます。この場合、副鼻腔炎にかかる可能性が高くなります。
鼻甲介は、鼻の中にある骨性の構造物で粘膜におおわれています。鼻甲介を覆う粘膜は、吸い込まれた空気が肺に入る前にフィルターとして働き、空気に湿り気を与えて鼻の中を湿った状態に保つため、とても重要なものです。
鼻中隔が曲がっていると、鼻の中の片側が広くなります。広くなった側の鼻甲介は肥厚することでこれに適応し、鼻づまりが悪化します。これが、鼻甲介形成術または鼻中隔矯正術がよく行なわれる理由です。
鼻中隔矯正術では、空気が鼻の両側を流れるようにするため、鼻中隔をまっすぐにします。鼻甲介形成術の目的は、鼻づまりと副鼻腔の排液を改善することです。必要なだけ鼻甲介を小さくすると同時に、正常な鼻甲介の機能に必要な組織を保存します。
鼻中隔をまっすぐにして鼻甲介を小さくするために、病変部の切除にはマイクロデブリッダーという特別な機器を使用します。マイクロデブリッダーとは鼻内組織の切除と吸引を同時に行う手術機器です。この機器により組織を取り除きすぎるなどの合併症を引き起こすリスクを低減します。
この手術の主な利点は、鼻づまりが改善して呼吸が楽になり、副鼻腔炎にかかる回数が少なくなることです。その他のFESSと同じように、侵襲が少ない手術です。手術には様々な方法がありますが、ここでは比較的低侵襲なマイクロデブリッダーを使用した方法を紹介します。
マイクロデブリッダーは、より的確に病変組織を除去することを可能にすることで、彎曲した鼻中隔の矯正を行い健康な組織を温存するのを助けます。その他の効果には次のようなものがあります。
麻酔と感染症によるリスクが常に伴うため、100%安全な手術はありません。手術によって生じる可能性がある合併症について、必ず主治医に尋ねるようにしてください。
一般に、彎曲した鼻中隔を治療する手術は安全ですが、いくつかのリスクはあります。組織の除去量が多すぎると、鼻中隔が崩壊して鼻の外観が変形したようになってしまったり、鼻中隔に穿孔が生じて、呼吸時に笛のような音がしたり、出血の原因にもなることがあります。マイクロデブリッダーによる鼻中隔矯正術では、このリスクが低くなります。
場合によっては、鼻中隔が彎曲した位置に戻ってしまうことがあります。これは、軟骨にはバネのように形状記憶があり、元の形に戻ろうとするためです。まれな合併症として、大量の出血、前歯のしびれ、嗅覚の低下などがあります。
鼻甲介手術は一般に安全ですが、いくつかのリスクがあります。主なリスクは、組織の除去量が多すぎて、吸い込んだ空気を鼻甲介が十分に暖めて湿らせることができなくなることです。そうなると、鼻の内側が永久に乾いて固くなり、痛みを伴うこともあります。マイクロデブリッダーによる鼻甲介形成術法では、このリスクが低くなります。
一般的ではありませんが、鼻甲介形成術のその他のリスクとして、大量の出血、慢性副鼻腔炎、嗅覚の喪失などがあります。
副鼻腔手術について、また、どの手術法があなたに適しているかについて、疑問が残っているかもしれません。ここで答えが見つからなかった疑問点については、必ず主治医に尋ねるようにしてください。
副鼻腔炎の患者さんのほとんどは、手術が必要ありません。通常、内科的治療と生活習慣の変更で効果が得られるか、症状を抑えることができます。しかし、このような方法で効果がない場合は、手術が最善の選択肢となることがあります。 手術を受けるということは重大な決断です。最初に多くのことを考慮しなければなりません。例えば症状はどのくらい重いのか、CT検査で評価した症状はどうなのか、全般的な健康状態はどうなのか、などです。 高齢である場合や、お子さんの場合は、特別な配慮が必要になります。患者さん自身やご家族にとって最善の治療を受けるために、主治医とよく相談することが大切です。
今日、機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)は、慢性副鼻腔炎を治療するための最も一般的な外科的治療法です。FESSでは、内視鏡を使って患部を詳細に観察しながら病変の除去を行ないます。 FESSが行なわれる以前は、顔の表面や口の中を切開して病変部を見つけていたため、感染リスクが高くなり、回復にも時間がかかりました。FESSは、鼻内から副鼻腔を開放するので、侵襲が少ない手術法と言えます。 主治医がどの方法を用いるかは、あなたが抱える問題の原因が何であるかによって決まります。一般的に、副鼻腔手術の目的は、炎症で障害された鼻と副鼻腔の機能を回復させることです。具体的には、正常組織をできるだけ温存しながら病変部分を取り除き、ふさがれた副鼻腔の排泄路を開放します。
ほとんどの場合、鎮痛剤で副鼻腔手術の痛みを管理することができます。長期間、顔が腫れたり、あざになったりすることはまれです。手術後一定期間は鼻の中が腫れて痛み、鼻づまりが強くなるかもしれません。
本サイトの内容は、医師の診察に代わるものではありません。病状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。