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腰部脊柱管狭窄症

治療について

腰部脊柱管狭窄症の治療

腰部脊柱管狭窄症における治療法や、手術療法について説明します。  

保存療法

膀胱直腸障害(ぼうこうちょくちょうしょうがい)があるときなど、症状が重い場合は手術が検討されますが、症状が軽い場合は姿勢の改善、運動を心がけ、また痛みがある場合は安静を心がけながら薬物療法や牽引(けんいん)療法、温熱療法、神経ブロックといった保存療法を中心に治療を行います。

腰部脊柱管狭窄症に対する手術療法

腰部脊柱管狭窄症における手術療法について説明します。保存療法で症状が改善されない、長期におよぶ日常生活動作の障害がみられるときは手術療法が考慮されます。脊柱管狭窄症の手術の基本的な考えは、狭くなった脊柱管を広げることで神経への圧迫を取り除くことです。この作業を除圧といいます。そのためには、狭窄が発生している部位周辺の骨を削る、あるいは靭帯を取り除く作業を行います。

椎弓切除術

脊柱管の中の神経を圧迫している骨や靭帯などの部分を取り除くために、脊柱管の背中側に位置する椎弓を必要に応じて部分的、または広い範囲で切除します。

脊椎固定術

椎弓切除術により、神経を圧迫している部分を取り除くため椎弓を削った後、脊椎が不安定になった場合には、除圧を行った範囲の脊椎を固定します。この術式のことを脊椎固定術といいます。

脊椎固定術は、狭窄のために除圧を行わなければならない範囲の背中側に切開を入れ、最初に神経を圧迫する骨や靭帯などを取り除き、除圧を完了します。その後、骨盤(こつばん)から採ってきた骨を固定する範囲の周辺に置き、その骨と固定する範囲の脊椎を骨癒合(こつゆごう)させ、安定させることが目的となります。

また、骨癒合の補助、早期離床、早期社会復帰を目的として、主に生体親和性がある金属製のスクリュー(ねじ状のもの)、ロッド(スクリューとスクリューとを連結する棒)などのような脊椎用インプラントを併用して、長期的に安定させることもあります。個人差はありますが骨癒合するまでには、手術後約6ヶ月~1年間を要します。

※手術療法の詳しい情報につきましては主治医にご確認ください。

腰部脊柱管狭窄症に対する手術療法に伴う合併症

危険の伴わない手術はありません。脊椎の手術においても、最大限の注意を払い、最善の治療を施しても、避けることが出来ない合併症は、起こる可能性があります。

以下が腰部脊柱管狭窄症の手術療法における代表的な合併症です。

  • 神経損傷による下肢麻痺、下肢知覚鈍麻(感覚が鈍くなること)、排尿排便障害
  • 切開した部分の感染あるいは椎間板に炎症がみられる術後椎間板炎
  • 神経を包んでいる膜(硬膜)の損傷による脊髄液の漏出、およびこれに引き続き生じる髄膜炎(ずいまくえん)
  • 切開した部分の血腫(けっしゅ)形成による神経麻痺・下肢痛
  • 腹部の大血管の損傷による術中の大出血
  • インプラントの破損、移動、変形
  • 脊椎固定術を行った脊椎に隣接する脊椎に対する疾患の進行
  • 脊椎固定術に伴う腰椎部の可動性の低下
  • 骨癒合不全(こつゆごうふぜん)
  • その他の稀な合併症として深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)、肺炎などの感染症などが生じることがあります。

※発生頻度等詳しい情報につきましては主治医にご確認ください。

 

本サイトの内容は、医師の診察に代わるものではありません。病状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。