中耳炎
手術
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手術
お子さんの中耳に滲出液がたまったり、感染したりしないようにするために、医師が耳に鼓膜チューブを挿入したり、アデノイドの切除(アデノイド切除術)を行うことがあります。
鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)挿入術やアデノイド切除術は、耳内の滲出液の貯留と感染症を防ぐ上で役立ちます。どちらの方法を用いるかは、お子さんの状態と中耳炎の原因によって決まります。
お子さんが中耳炎にかかっていて、初期治療後にも耳に滲出液がみられる場合や、お子さんが過去1年間に何度か中耳炎にかかっている場合、医師は鼓膜チューブの使用を勧めることがあります。
お子さんのアデノイドが肥大していて中耳炎の原因になっている場合、医師はアデノイド切除術を行ってアデノイドを除去することを提案することがあります。
鼓膜チューブ挿入術やアデノイド切除術は、中耳炎の再発を減らすのに役立ちます。
鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)を耳に入れることは、単純で一般的な処置です。アデノイド切除術は、通常は鉗子を使用して切除を行いますが、近年では「マイクロデブリッダー」と呼ばれる新しい機器を用いて切除するケースもあります。更に不明な点がある場合は、必ず主治医に尋ねるようにしてください。
鼓膜の奥に貯留する滲出液は、細菌と中耳炎の温床となります。鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)は、鼓膜に留置するとても小さなチューブです。鼓膜チューブは鼓膜の奥に貯留する滲出液の排出を促し、中耳炎の予防に役立ちます。
鼓膜チューブ挿入術は、比較的安全で簡単な手術です。鼓膜をわずかに切開して片耳または両耳に鼓膜チューブを入れます。鼓膜チューブによって痛みや難聴が起こることはありません。
お子さんの場合は通常、鼓膜チューブ挿入術は全身麻酔をかけて行われます。成人の場合は、外来診療で行われることもあります。
鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)挿入術の効果とリスクは、それぞれのお子さんによって異なります。
効果には次のようなものがあります。
リスクには次のようなものがあります。
お子さんの耳管が、中耳からのどへと滲出液をうまく排出できないときがあります。滲出液が鼓膜の奥でたまると、細菌が増殖することがあります。これが、中耳炎の始まりです。中耳炎が治った後にも、滲出液がそのまま鼓膜の奥に留まることがよくあります。
滲出液が排出されるようして中耳炎の再発を防ぐために、きわめて小さな鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)を鼓膜に入れます。
耳管とは、中耳とのどの後部をつないでいる管で、2つの働きがあります。第1に、中耳内の気圧を耳の外部の気圧と等しく保ちます。この働きによって、耳がよりよく聞こえます。第2に、滲出液が中耳からのどへと流出するのを助けます。
小さなお子さんでは、耳管は小さくて細く水平に近くなっています。このため、細菌が喉から耳へと移動しやすく、耳管がつまりやすい傾向にあります。ほとんどのお子さんは、6歳ごろには耳管が発達して成人に近くなり、中耳炎にかかりにくくなります。
鼓膜チューブは滲出液を中耳から排出し、中耳炎が再発する可能性を低くします。
通常、お子さんに次の状態がいくつかみられる場合に、鼓膜チューブの使用が勧められます。
通常、再発する耳の滲出液の貯留と中耳炎は、耳管がつまることが原因で起こります。その他にも、お子さんの状態を悪化させる要因がいくつかあります。
アデノイドとは、のどの一番上(鼻の奥)にある、リンパ組織です。アデノイドは細菌を体内のさらに奥へと入らないように捕獲する働きがあると考えられています。
しかし、捕捉された細菌が耳管を通って中耳に達した場合、アデノイドが中耳炎の原因となる場合もあります。また、捕捉された細菌によりアデノイドが腫れることで耳管がふさがり、中耳で滲出液と細菌の貯留が引き起こされることもあります。
アデノイド切除術には、マイクロデブリッダーと呼ばれる特別な機器を使用する方法があります。マイクロデブリッダーとは肥大したアデノイドの切除と吸引を同時に行う手術機器です。
マイクロデブリッダーは、的確な切除が行えるので、周囲の組織を傷つけるリスクが低くなります。
アデノイドを除去する他の方法に比べ、マイクロデブリッダーを使用したアデノイド切除術では、お子さんが再び中耳炎にかかる可能性が低くなります1。また、次のような効果もあります。
執刀医はより容易な切除コントロールが得られ、目的の部位をよりよく見ることができるので、マイクロデブリッダーを使用したアデノイド切除術に伴うリスクは、他の方法に比べ低くなります。合併症もまれであり、起こったとしても通常は軽度なものです。
出血は最も一般的な合併症ですが、きわめてまれです。通常、術後にアデノイドが位置する部位の表面に軽度の感染が起こります。そのため、1週間ほどは口臭が生じます。重度の感染症はまれです。
アデノイドとは、のどの一番上(鼻の奥)にある、リンパ組織です。アデノイドは細菌を体内のさらに奥へと入らないように捕獲する働きがあると考えられています。しかし、捕獲された細菌が、耳管を通って中耳に達した場合やアデノイドを腫らして耳管をふさぎ、中耳で滲出液と細菌の貯留を引き起こした場合に、アデノイドが中耳炎の一因となる場合もあります。
マイクロデブリッダーを使用したアデノイド切除術には、他の治療法より優れた点がいくつかあります。
2003年に実施された調査研究では、マイクロデブリッダー、鉗子(切断)、吸引焼灼(加熱)による各アデノイド切除術の差が明らかになりました。(出典1)この研究では、1年間にすでに2回の鼓膜チューブ挿入術を受けていた1,270名のお子さんを対象に追跡調査が行なわれました。調査の目的は、アデノイド切除術を受けたお子さんがどのくらいの頻度で3回目の鼓膜チューブ挿入術を受けなければならなくなったのかを調べること、つまり、どのタイプのアデノイド切除術がより有効かを検討することでした。
研究の結果は、マイクロデブリッダーを使用したアデノイド切除術を受けたお子さんは3回目の鼓膜チューブ挿入術を必要とする確率がかなり低いことを示すものでした。
その他の方法では、除去する組織の量をコントロールすることが難しい場合があります。除去する量が多すぎれば、近くの組織を傷つけて合併症の原因となるおそれがあります。除去量が不十分だと、アデノイドが再び大きくなり、感染症が再発する可能性があります。
アデノイド切除術に使われるマイクロデブリッダーは、きわめて正確な操作が可能であるため、執刀医はより容易に切除コントロールを行なうことができ、除去が必要な組織だけを切除することが可能となります。また、マイクロデブリッダーと内視鏡によってアデノイド組織を直接見ることができます。さらに、到達が難しいアデノイドへのアクセスが容易になります。
April M, Ward R, Bent J. Power-Assisted Adenoidectomy in the Treatment of Chronic Otitis Media with Effusion. Poster Presentation at American Society of Pediatric Otolaryngology, May 4, 2003, Nashville, TN.
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