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頻脈性不整脈

疾患の概要

頻脈性不整脈について

監修:筑波大学大学院 病態制御医学循環器内科学 教授 青沼和隆先生

自律神経の興奮、虚血性心疾患および他の心臓の病気によって心筋の電気系統に異常が生じ、脈が乱れるのが「不整脈」です。不整脈は、「徐脈性不整脈」と「頻脈性不整脈」の二つに大きく分かれます。頻脈性不整脈(以下、頻脈)は、脈が速くなる不整脈で、頻脈が起こると1分間の脈拍が400回を超えることもあり、心臓がドキドキする、めまい、立ちくらみ、さらには失神、けいれんといった自覚症状があり、一部の頻脈では死に至ることもまれではありません。植込み型除細動器(ICD)は頻脈を予防するものではありませんが、24時間絶え間なく心臓をモニターし、脈拍が異常に速くなった場合に頻脈を停止させるための電気的な治療を行う医療機器です。

頻脈とは?

頻脈とは脈が速くなる不整脈で、通常1分間の脈拍が120回以上、多い時には400回にも達します。脈拍が速すぎると、心臓は血液を効率的に送り出すことができなくなり、あまり速すぎると、心拍が速すぎて心臓がカラ打ちし、心臓から全身へ全く血液を送れない状態(心停止発作)に至ることもまれではありません。頻脈には、心房で起こる上室性頻脈と心室で起こる心室性頻脈があります

原因

一般的には頻脈の原因として、以下のようなものがあります。

  • 高血圧など心臓に関連する疾患
  • 狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患(アテローム性動脈硬化症)、心臓弁膜症、心不全、心筋症などの心筋疾患(先天性心疾患)、または感染症による心筋への血流低下
  • 甲状腺疾患、ある種の肺疾患、電解質異常、アルコール依存または薬物乱用など
  • 心理的ストレスまたはアルコールやカフェイン入り飲料の大量摂取

症状

頻脈の症状には、以下のようなものがあります。

  • 脈の乱れの自覚
  • 息切れ
  • 動悸(心臓がドキドキする感じ)
  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 突然の虚脱感
  • 失神
  • けんれんを伴う失神

発症しやすい人は?

以下に当てはまる場合、頻脈を発症するリスクが高くなります。

  • 冠動脈疾患(アテローム性動脈硬化症)
  • 心不全(心臓のポンプ機能の低下)
  • 心臓発作(心筋梗塞)
  • 先天性心疾患
  • 炎症性または変性心疾患
  • 慢性肺疾患

 

本サイトの内容は、医師の診察に代わるものではありません。病状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。