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2023年1月11日
日本メドトロニック株式会社

日本メドトロニック
植込み型心臓デバイス初の遠隔プログラミングを搭載した
植込み型心臓モニタ「LINQⅡ™」の販売を開始

日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区)は、原因が特定できない失神と潜因性脳梗塞の患者さんの診断に使用する植込み型心臓モニタ「LINQⅡ™(リンクツー)」の販売を2023年1月より開始いたしました。

LINQⅡ™ 製品画像

「LINQⅡ™」
(販売名:メドトロニック LINQⅡ/承認番号:30300BZX00278000)

いつ起こるか分からない失神や、潜因性脳梗塞の主な原因の一つと言われる心房細動は、一般的に行われているホルター心電図検査や体外式ループレコーダーによる検査では検査時間が短く、検出し難いと言われています。植込み型心臓モニタを使用することで、失神が起きた際の心電図を確認したり、潜因性脳梗塞患者さんに心房細動があるか調べたりすることができ、症状が心臓の病気に由来するものなのかどうかを医師が判断する手助けになります。

LINQⅡは、患者さんが病院に通院することなく、遠隔でデバイス設定ができる遠隔プログラミング1を初めて搭載した植込み型心臓モニタです。また、LINQⅡは、新たなアルゴリズムを搭載し、不整脈の検出率向上とデータ解析時間の低減にチャレンジしています。不整脈を正しく検出する精度を高めることでデータ解析時間を低減し、医療従事者や患者さんの労務低減を目指しています。

【LINQⅡの特長】
LINQⅡは従来製品と比較2して、次の改良点があります。

①不整脈の検出率向上へチャレンジ
不整脈の記録ルール変更と改良された偽陽性低減アルゴリズムを追加することで、データ解析時間の低減へチャレンジしています。これにより、レビューすべき反復エピソード心電図数が従来製品と比較2して66%低減3したと報告されました。また、心室性期外収縮(PVC)検出機能を新たに追加することで、失神や心房細動の診断に役立てます。

②BlueSync™テクノロジー搭載による遠隔診療4への更なる貢献
植込み型心臓デバイスでは初となる遠隔プログラミング1を搭載しました。医師はどこにいても5植込み後あらゆる6パラメータを遠隔プログラミングで設定可能となります。これにより、患者さんの外来訪問の頻度を低減できる可能性があります。また、患者さんは自身のライフスタイルに合わせて、スマートフォン7もしくはMyCareLink Relay™のいずれかの方法を選択して心電図データを送信することが可能です。

③電池寿命の改良
LINQⅡの電池寿命を従来製品から改良2し、4.5年8の継続的なモニタリングが可能となりました。継続的なモニタリングは医師の診断の助けとなり、不整脈の管理に役立ちます。

不整脈の記録ルール変更と改良された偽陽性低減アルゴリズムを追加することにより、LINQⅡにおける診断に関わる時間は従来製品に比べ233%低減9することが報告されました。LINQⅡは、不整脈を検出する能力は落とさずに労務を減らすことで、LINQⅡに関わる医療従事者や患者さんに貢献します。

東邦大学大学院医学研究科循環器内科学教授 池田隆徳医師は次のように述べています。「『診断機器』として不整脈の検出率を向上させているということはすばらしい改良だと思います。さらに、昨今、働き方改革が求められている中で、植込み型心臓モニタのデータ解析を行う医療従事者の負担を減らすというコンセプトにも期待しています。また、植込みデバイスとして初となる遠隔プログラミングによって遠隔診療に新たな可能性を見出すことができるのではないかと思いますし、外来訪問の頻度や負担を低減できることは、患者さんにとってベネフィットとなるでしょう。」

【失神とは】
失神は、脳全体に十分な血液が供給されなくなったために一時的に意識を失うものとされています。失神の原因は多岐にわたりますが、よくある原因として、①神経の調節機能の障害によるもの、②起立性低血圧によるもの、③心臓の病気が原因となるもの、が挙げられます。失神の原因疾患は致死性のものである場合もあり、心臓の病気が原因となる場合には重篤な症状につながる可能性があります。日本では、毎年20万人の失神患者が病院に搬送されていると推定され、そのうち20~30%は従来の検査方法では診断できない原因不明失神とされています10

【潜因性脳梗塞とは】
脳梗塞の多くは脳血管の病変や、心臓などでできた血栓による塞栓症が原因と考えられていますが、十分な精査にもかかわらず原因が特定できない脳梗塞が潜因性脳梗塞です。これらの大半は塞栓源不明塞栓症と考えられ、原因の一つとして潜在性心房細動が注目されています。潜因性脳梗塞の頻度は研究によって差があり、原因不明の脳梗塞は全体の16~39%と報告されています11
 

1

LINQ IIの遠隔プログラミングは、患者の容体確認・診察が不要であり、本体の設定変更のみを意図する場合に使用すること。

2

Reveal LINQ™ with TruRhythm™ Detectionとの比較(販売名:メドトロニック Reveal LINQ /承認番号:22800BZX00111000 2023年1月現在)。

3

Van Heel L, et al. (2019) New Algorithms Reduce Clinician Review Burden and Maintain Diagnostic Yield for Repetitive ECGs in Insertable Cardiac Monitors. Circulation. 140: A11830.

4

ICMに関する情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為。

5

診療行為につき使用場所は医療機関内、および通信環境下に限ります。

6

Reveal LINQ™ Mobile Managerで設定可能なパラメータと同等範囲。(販売名:メドトロニック Reveal LINQモバイルマネージャ/承認番号:22800BZX00305000)

7

MyCareLink Heart™ Mobile Appをインストールしたスマートフォン。

8

予測電池寿命 平均心拍レート:70bpm、該当するOn-Demand送信を含めた自動検出エピソードが1日に1回、該当するOn-Demand送信を含めた患者起動エピソードが1か月に1回、植込み時15分のBluetooth通信、1年に20分の2回のインオフィスフォローアップセッション(=併用可能なプログラマとの通信)及び2回のフルインテロゲーション、Daily送信が1日に1回、使用前期間(電池接続から植込み時までの期間)が3か月の場合における、予測電池寿命は以下のとおり。
a. Mobile App Optimization有効時 (Bluetooth Advertisingの間隔が1分に1回) 2.5年
b. Mobile App Optimization無効時 (Bluetooth Advertisingの間隔が3分に1回) 4.5年

9

Medtronic data on File. April 2020.

10

失神の診断・治療ガイドライン(2012年改訂版)

11

Hart RG, Diener HC, Coutts SB, et al: Embolic strokes of undetermined source: the case for a new clinical construct. Lancet Neurol 13: 429–438, 2014

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