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2019年10月31日
日本メドトロニック株式会社

報道関係者各位

日本メドトロニック 胸部大動脈瘤・大動脈解離用低侵襲治療デバイス
「Valiant NavionTM胸部ステントグラフトシステム」の薬事承認取得

日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区)は、胸部下行大動脈の大動脈瘤と大動脈解離の治療に用いられる「Valiant NavionTM(バリアント ナビオン)胸部ステントグラフトシステム」(以下、Valiant Navion)の製造販売承認を2019年9月25日に取得し、11月より順次販売を開始いたします。これまで既存の胸部ステントグラフトでは、細く屈曲した腸骨動脈を有する患者さんへの治療は難しいとされてきました。Valiant Navionは国内で発売されている弊社従来品よりカテーテル径が細くなり、更に合併症を伴う慢性 Stanford B 型大動脈解離(解離性大動脈瘤を含む)の適応が追加されこれまでより多くの患者さんへの治療が可能となります。

Valiant Navion フリーフロータイプ(ベアステントタイプ)
Valiant Navion バードシールタイプ(ノンベアステントタイプ)
Valiant Navion デリバリーシステム

Valiant Navion™胸部ステントグラフトシステム
(承認番号:30100BZX00151000)

慶應義塾大学医学部 外科学(心臓血管)  教授 志水秀行 医師は、「胸部ステントグラフト治療は外科手術が難しい、または外科手術によるリスクが高い患者さんへ多く使用されています。このような患者さんへの治療負担の軽減が求められるステントグラフト治療において、カテーテルサイズの細径化は大きな課題の1つでした。Valiant Navionは、解剖学的に腸骨動脈が細く屈曲した方が多い日本の患者さんの治療に貢献するデバイスになりうるでしょう」と述べています。

【製品の特長】
1. ロープロファイル(細いカテーテル径)
弊社従来品より細い18Fr-22Fr * (カテーテル外径)デリバリーシステムにより多くの患者さんへの適用を可能にします。(*1Frは外径約1/3mm)

Valiant Navion ロープロファイル 18Fr-22Fr (O.D.)

2. 中枢側用デバイスとして新たにカバードシールタイプ(ノンベアタイプ)が選択可能
弊社従来品では中枢側用に使用できるデバイスはフリーフロータイプ(ベアステントタイプ)のみでしたが、今回カバードシールタイプ(ノンベアステントタイプ)も中枢側用デバイスとして使用可能となりました。2つの異なる中枢側形状のデバイスにより治療の選択肢が広がると期待されます。

Valiant Navion フリーフロータイプ(ベアステントタイプ)

図1

中枢側(写真上部)のワイヤー部分が露出した
フリーフロータイプ(ベアステントタイプ)

Valiant Navion バードシールタイプ(ノンベアステントタイプ)

図2

中枢側(写真上部)のワイヤー部分まで被覆のある
カバードシールタイプ(ノンベアステントタイプ)

Valiant Navion 大動脈解離への留置イメージ

図3

大動脈解離への留置イメージ

3. シンプルなデリバリーシステムによる留置性能の継承

弊社従来品から継承したシンプルな3ステップでの展開が可能なデリバリーシステム(図4)は、留置の正確性が期待できます。さらに人間工学に基づくデザインは術中のカテーテル操作性の向上が期待できます。

 

Valiant Navion デリバリーシステム

図4

【胸部大動脈瘤について】
胸部大動脈瘤とは、身体の中心を流れる大動脈の胸の部分に位置する血管がなんらかの原因により膨らんだ状態のことです。大動脈の正常径は一般的に30㎜とされています。胸部大動脈瘤の場合は正常の大動脈径から約1.5倍(45㎜)を越えた状態のことを称しています。
胸部大動脈瘤の原因としては動脈硬化が最も多く、血管炎や感染症、交通事故などが原因となることも知られています。

【大動脈解離について】
大動脈解離とは大動脈壁が中膜のレベルで二層に剥離し,動脈走行に沿ってある長さを持ち二腔になった状態です。解離の範囲によって分類がなされており、一般的に多く使用されているStanford分類はA型とB型の2種類に分けられています。国内でステントグラフトの治療対象となっているのはこのStanford B型の状態で血管の急速拡大や分枝血管の灌流障害などの合併症が併発した状態です。

胸部大動脈瘤及び大動脈解離に関する詳細は、循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2010 年度合同研究班報告)大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2011年改訂版)に明記されております。
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_takamoto_h.pdf

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