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2019年7月29日
日本メドトロニック株式会社

報道関係者各位

日本メドトロニック 心房細動治療に新しいバルーンカテーテル
「Arctic Front Advance™ Pro 冷凍アブレーションカテーテル」を
全国で発売開始

手術中の電位変化をリアルタイムで確認しやすく、より多くの症例への使用を期待

 

 日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 トニー セメド)は、薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細動治療を目的とした「Arctic Front Advance™ Pro (アークティック フロント アドバンス プロ)冷凍アブレーションカテーテル」(以下、Arctic Front Advance Pro)を、2019年7月29日(月)より日本全国にて発売いたしました。

Arctic Front Advance Proは、カテーテル先端のチップ長が従来品の「Arctic Front Advance™ 冷凍アブレーションカテーテル(以下、Arctic Front Advance)」より短く、手術中の評価に用いられる標的肺静脈の電位有無をリアルタイムで確認できる症例が増えることが期待されます。電位の有無を確認しやすくなるため、個々の症例において、心房細動アブレーション治療の基盤である肺静脈の電気的隔離までに必要な冷却時間をより細やかに調整することが可能となり、手術時間の短縮も期待されます1-7。また、チップ長が短くなることでカテーテルの操作性が向上し、より小さな左心房での症例や、肺静脈の分岐部が左心房側にある症例など、より多くの症例への対応が可能となります。

「Arctic Front Advance™  Pro 冷凍アブレーションカテーテル」
(販売名:Arctic Front Advance 冷凍アブレーションカテーテル  承認番号:22600BZX00062000)

Arctic Front Advance Pro(新製品) イメージ

Arctic Front Advance Pro(新製品)
従来品より先端のチップ長が短縮され手術中の
電位変化を確認しやすくなった

Arctic Front Advance(従来品) イメージ

Arctic Front Advance(従来品)

心房細動(Atrial Fibrillation:AF)は、心臓の4つに分かれた部屋のうち「心房」と呼ばれる上の2つの部屋で生じた異常な電気的興奮により起こる不整脈です。心房細動は、心房が痙攣したように不規則に震え、結果として脈が不規則に速くなるのが特徴です。

冷凍バルーンアブレーションカテーテルを用いた治療では、心房細動の原因となる不規則な電気信号の発生部位と考えられる肺静脈を電気的に一括隔離します。従来の高周波電流(Radiofrequency:RF)によるアブレーションではなく、冷却剤を用いて心臓組織を冷凍焼灼(しょうしゃく)することで電気的な絶縁部を形成し、不要な電気の回路を遮断します。米国とカナダにおける大規模臨床試験では、薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細動の患者さんに対する冷凍バルーンアブレーションカテーテルの安全性・有効性が評価され、少なくとも一種類の抗不整脈薬が無効になった患者さんに対する冷凍アブレーションの有用性が報告されています8。また、これまでに50万以上の患者さんが60以上の国々で冷凍バルーンアブレーションカテーテルによる治療を受けています。

日本不整脈心電学会カテーテルアブレーション委員会委員長 山根 禎一 先生は、次のように述べています。「心房細動を根治させて脳梗塞や心不全のリスクから脱却することは長く国民の健康管理上の重要課題でした。西暦2000年から開始された心房細動カテーテルアブレーションは、そのニーズの高さを反映するように飛躍的に普及し、現在国内で年間6万件にのぼる手術が行われています。その中でも冷凍バルーンアブレーションの普及は著明であり、2014年にArctic Front Advanceを発売してから、国内の260を超える施設において累積5万例以上の冷凍バルーンアブレーションが行われ、カテーテルアブレーションの普及および成績の向上に大きく寄与しています。今回、新しく我が国で使用が可能となったArctic Front Advance Proは、バルーン先端が従来品よりも短いショートチップデザインで設計されており、手術中のリアルタイムでの肺静脈電位の観察率が向上することが期待されます。これにより、肺静脈隔離手技において症例ごとに適したテーラーメード治療が可能となり、ますます心房細動患者の根治治療に役立つと考えています。」

超高齢社会を迎え今後もその患者数が増加すると言われている心房細動に対し、メドトロニックは、診断、マネジメント、そして治療と多面的に取り組み、健康に暮らせる社会の実現を目指し貢献してまいります。

【心房細動とは】

心房細動は最も発症率の高い不整脈のひとつで、日本では現在100万人を超える患者さんがいる と言われており9、心房細動の発症リスクは加齢とともに増加します10。また、心房細動の患者さんでは、脳梗塞や心不全の発症リスクが高まることも報告されています11,12。心房細動の症状には、脈の乱れ、胸部の不快感、胸の痛み、動悸、息苦しさ、運動時の疲労感、めまいなどがあげられますが、半数程度の患者さんは自覚症状がないとも言われています13

【カテーテルアブレーションとは】

カテーテルアブレーションは、カテーテルと呼ばれる細い管を脚の付け根から血管(静脈)を通じて心臓に入れ、心房細動の原因となる不規則な電気信号の発生部位を焼灼する(アブレーション)ことで、異常な電気信号の流れを遮断する治療法です。心房細動の根治を目指す治療法として、薬物治療の効果が十分に発揮されない患者さんや、患者さんの症状に応じて検討されます。

カテーテルアブレーションは、使用するエネルギー源によって、高周波電流を用いて焼灼する方法と冷却剤を用いて冷凍焼灼する方法に分けられます。また、カテーテルの形状も大きく2種類あり、先端に金属の電極がついた電極カテーテルと、先端に小さな風船が付いたバルーンカテーテルがあります。

冷凍バルーンカテーテルでは、バルーン形状を活かして肺静脈入口部に面を当て、円周状に冷凍焼灼するため手術時間の短縮が期待できます。また、冷却により肺静脈周囲の心筋組織とバルーンが固着するためカテーテルを安定的に保持することができ、術者の負担軽減や、術者ごとの成績のばらつきを抑えることにもつながります。

1

Fürnkranz A, et al. Europace. December 2016;18(12):1795-1800.

2

Mugnai G, et al. J Interv Card Electrophysiol. September 2016;46(3):307-314.

3

Heeger CH, et al. Clin Res Cardiol. June 2016;105(6):482-488.

4

Pott A, et al. J Interv Card Electrophysiol. December 2016;47(3):333-339.

5

Aryana A, et al. Heart Rhythm. December 2016;13(12):2306-2313.

6

Aryana A, et al. Heart Rhythm. 2017;14(9):1319-1325.

7

Dahme T, et al. Europace Abstracts Supplement, 2017.

8

Packer DL, et al. J Am Coll Cardiol. 2013;61(14): 1713-23.

9

Ohsawa M et al. J Epidemol. 2005; 15(5): 194-196.

10

Inoue H et al. Int J Cardiol. 2009; 137(2): 102-107.

11

Fuster V, et al. Journal of the American College of Cardiology. 2006; 48:854-906.

12

ACC/AHA/ESC Guidelines for the Management of Patients with Atrial Fibrillation

13

Esato M et al. Chest 2017; 152(6): 1266-1275.

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